オリーブ色の表紙にちょこんとしたフクロウが可愛らしい一作目『ちょっだけ まいご』。
美しいブルーの表紙に帽子をかぶった4人組が並ぶ二作目『しっー!ひみつのさくせん』。
アイルランドからやってきたクリス・ホートンさんの描く絵本は
いつもとてもスタイリッシュでなんといっても色が美しい。
さて、今回は?
驚くほど、ぱっと目をひくオレンジ色の鮮やかな表紙に、
鼻先が紫色から赤へとグラデーションしている困った顔の犬。
この犬が、今回の主役ジョージ。
一体、どんな色の世界とお話が待っているのかな?
犬のジョージは、飼い主のハリスに
お留守番してる間、いい子にしていることを誓います。
だって、「ぼくは いつでも いいこだよ。
いいこじゃなかったことなんて あったかな」
ところが、ジョージに何度も訪れる犬であるが故の試練。
野生の本能を試される誘惑の数々。
ああ、そのたびに、ジョージは少し考えるのです。「どうする ジョージ!」
そんな時、ジョージは表紙のこんなちょっぴり困った顔をするのです。
でも、やっぱり誘惑に勝てない!!
ケーキにかぶりつき、猫を追いかけ、植木の根っこを掘り起こして・・・。
あああ、ぼくって、いいこじゃなかった。
ハリスが帰ってきて、ジョージは反省します。
じゃあ、「どうする ジョージ!」?
読み聞かせにもぴったりのこのフレーズ。
その後のジョージの行動にもご注目!最後の最後は一体ジョージはどうするのかなぁ。
イラストレーター兼デザイナーであり絵本作家でもあるクリス・ホートンさんは、実はフェアトレードのピープル・ツリーのデザインで評価され2008年にはタイム誌の“デザイン100”に選ばれています。世に送り出した絵本は、世界10カ国以上で翻訳をされ、2011年にはアイルランドを代表する児童書に贈られるビスト最優秀児童図書賞と新人作家対象のエイリース・ディロン賞をなんとダブル受賞!今後の活躍がとても気になる作家さんなんです。
絵本の中で、クリス・ホートンさんの世界をたっぷりと味わってくださいね!
(富田直美 絵本ナビ編集部)
続きを読む