森の中に、とてもかっこいい木がありました。
ぐんとのばした枝、するどい葉っぱ、ツルツルピカピカのはだ。
百さいになるというのに、いつでもどうどうとしています。
けれども木は、そんな外見からはわからない、さびしい思いを
していました。
それは、ひとりも友だちがいないこと。
こんなにかっこよくしているのに、どうして友だちができないの・・・
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作者が小学6年生のときにこのお話を書くきっかけとなったのは、
新聞に掲載された「いじめ」の特集記事でした。
なぜ、いじめがこんなに多いのか?なくなることはないのか?
と考えつづけていました。
そして、小学校の6年間をとおして、自分の周りに「いじめ」が
なかったのは、常にありのままの自分をだせて、ありのままの仲間
をうけいれる・・・当たり前のことだと思っていたことが、実は難しく、
そして大切なことでした。
「 つかれたときは つかれたように
ツライときには ないたっていいんだ」
樹齢百年の老木を通して、ありのままの姿で生きることの大切さ
が語られるお話です。
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