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動物の母親は、どうやって自分の子どもを運んでゆくのでしょうか。子どもたちが好きな動物を12種類登場させ、リアルに、母が子を連れ歩く様を描いています。
2015年8月末に山梨は白州にある薮内正幸美術館に行ってきました。
薮内正幸氏のご長男である竜太さん(美術館の館長)に、薮内氏の絵について詳しくお話を伺いました。
たとえばライオンのおかあさんの足に浮き出ている血管。
動物園の獣医さんがこの絵を見て唸るそうです。
ライオンの写真でもなかなかこの部分の血管が写っているものにはお目にかかれない。でもライオンに注射をする機会のある獣医であれば、どこに静脈が浮き出ているかはわかっていて、この絵を見た途端、その正確さに感嘆されたというのです。
チンパンジーのおかあさんの腕の毛の生え方も上腕と腕の先では逆になっている。これもチンパンジーの生態をきちんと把握して、丁寧に描いている。
この絵本は一見地味な絵本なのですが、うちの4人の子どもたちも大好きでしたし、25年続けている文庫活動でも小さな子どもたちがとても喜ぶ絵本です。
小さな子どもたちにはそういう細部はわからなくても、本物をきちんと見せたいという薮内さんの姿勢が、子どもたちの心を捉えるのでないかと思いました。
丁寧に作られた絵本がロングセラーとして残っていっていることも嬉しいと思う絵本です。 (若葉みどりさん 50代・ママ 男の子18歳)
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