お待ちかね! 福いっぱいの絵本『おふくさん』の続編が登場です。
タイトルにある「おふくわけ」って何でしょう? さっそく本を開いてみましょう。
にこにこ、ふくふくとくらす、10人のおふくさんたち。
栗ご飯に、おまめさん、きのこのお汁…。秋のごちそうを囲んで、みんなで食事の真っ最中。
ああ、美味しかった…!というタイミングで、現れたのが、1作目でもおなじみの鬼さんです。
「うまそうな においだな。 おれにも くわせろ!」
残っているお料理はお豆だけ。あとは生のおいもが1本あるきり。
鬼さんは、豆が苦手だし、はてさてどうしたものか、
…考えた、おふくさんたち。
「そうよ、あれよ! あれつくろ!」
「ほっぺが おちそうな おいしさよ」
おふくさんたちはいったい何を作るのでしょうか。
それは絵本を読んでのお楽しみ。鬼さんもお手伝いして作ったみたいですよ!
1作目の『おふくさん』のテーマは、笑って笑って、つらいこと、悲しいことをふきとばしてしまおう。――「わらうかどには、ふくきたる!」でした。
そして今回は、「たべるかどにも、ふくきたる!」です。
美味しそうなにおいが、絵本のどの画面からも、ふんわり香ってきそう。
みんなで作って、みんなで分けて。食べる場面の、おふくさんたちの幸せそうな顔!
たっぷりの「福」があふれています。
うれしいことも美味しいものも、みんなで分けたほうが、何倍も幸せがふくらみます。
みんなで「おいしいね」と言い合う。そんなときって、悲しいことも忘れてしまっているものですよね。
「おふくわけ」とは、
「もらい物の一部をよそに分けて与えること。おすそ分け。」(『国語辞典 第十一版』旺文社)
「御福分け」と書き、福をみんなで分けることなんですね。「おすそ分け」が一般的ですが、「御福分け」は、おふくさんがにこにこ微笑んでいるような素敵な響きです。
この絵本を読んだら、大好きな人と、おいしいものが食べたくなること間違いなし。
絵本に出てくる「おいしいもの」は、見返しにレシピが載っていますので、ぜひ、作って食べてみてくださいね。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
続きを読む