窓辺から、小鳥がくまのぬいぐるみを連れだした! 森から海へ、砂漠から雪国へ、長い時間の大冒険。子どもはじっくり、大人はうっとりの、さがしもの写真絵本。おまちかね人気さがしもの絵本シリーズ第5弾。
・作/山形明美さんからのメッセージ
今回の「どこ?」は、くまのぬいぐるみの<長い旅の物語>です。
さがしものの絵本ですから、もちろん、さがしもの遊びも重要なのですが、今回はとくに、各ページ一枚一枚を、絵のように美しく完成させたいと思いました。まずは、ストーリーのつじつまは気にせずに、自分のおもしろいと思う場面のラフを描くことからはじめました。担当編集者の(り)さんの「最初と最後さえ決まれば、あとは大丈夫です。自由に作っていきましょう」という言葉が、私の気持ちを楽にしてくれました。
大好きな動物や小鳥もたくさん作りました。森に行ったら、つぎは海に行って……、と考えるうちに、気球の旅や、船の旅もいいなあと、いろいろな設定が浮かんできます。途中から、旅は過酷にもなっていきます。砂漠や雪国を旅する場面も作りました。
見切り発車で作りはじめたものの、ふしぎとつぎの旅先が自然に決まっていきました。最初に、<長い旅の物語>と想定したことで、バラエティーにとんだ場面が展開でき、盛りだくさんの一冊になった気がしています。
私の製作過程も、まさに長い長い旅のようでした。この本が完成するまでには、2年もの時間がかかりましたが、それは、作る楽しさを感じさせてくれた旅でもありました。
大人も子どもも、やわらかい頭で想像力を働かせて、「どこ?」の世界を楽しんでいただけたら、幸いです。
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