野原をかけだした「ふう」と「はな」が出会ったのは、きいろい、きれいな花。「こんにちは。わたしのなまえははなよ。あなたのなまえもはな?」話しかけると、「たんぽぽ」と、声がしました。ふたりの前にあらわれたのは、テントウムシ。たんぽぽのまわりに、ほかの虫も集まってきます。“あまいみつがすきな”シジミチョウ。“きいろいかふんがすきな”ミツバチ。そしてふたりは、“花は種を実らせ、新しい命をうむ”“風は種をとばし、いのちを運ぶ”ことを知ります。そう、ふたりの名前には、そんな意味がこめられているのでした。
<著者のことば>
野はらでたんぽぽとお話しよう いわむら かずお
野に生きる子うさぎ「ふう」と「はな」の毎日は、驚きと発見と冒険の日々です。自然からたくさんのことを感じ取り、いのちの仕組みを学んでいきます。
その日、ふたりが草はらで出会ったのは、美しいたんぽぽの花と、テントウムシ、ベニシジミ、ミツバチ。
あたたかい春の日、私の美術館のフィールド「くさっぱら広場」で生まれた一冊です。こどもたちが絵本を読んだあと、野はらで、たんぽぽやテントウムシたちとお話してほしいという願いをこめて…。
<日本のタンポポを、さがしてみよう>
日本には大きくわけて、日本のタンポポとセイヨウタンポポがあります。
セイヨウタンポポは1年じゅうみられますが、日本のタンポポは春にだけ咲きます。
そして、日本のタンポポの花がセイヨウタンポポと大きく違うのは、 虫たちの助けを借りて受粉する必要が
あるということです。 ふうとはなが出会うのは、日本のタンポポです。
みなさんも、探しにでかけてみてください。
続きを読む