料理とイタズラがだいすきな、ジョージ・クラムさん。
そんな彼のレストランは、いつもお客さんでいっぱい。
メニュー名はイタズラっ気たっぷりで、変だけど……
みんな、クラムさんの料理が大好きでした!
そんなある日、「こだわり屋」を自称するお客さんがご来店。
彼の注文はポテト“だけ”。
クラムさん、腕によりをかけてポテトを料理しますが……
なんと、お客さんはお皿をつきかえしました。
「ぼくのポテトには、だれだって夢中になるのに。ホクホクで、最高なのに!」
そして、「こだわり屋」のお客さんと、「イタズラ好き」の料理人との対決が、はじまるのです。
みんな大好きポテトチップス、その誕生の秘密にせまった絵本!
実在の人物ジョージ・クラムと、世界最初のポテトチップス「サラトガ・チップス」にまつわるエピソードに脚色をくわえた本作ですが、史実を元に描いたのにどこか寓話的な味わいのある、ふしぎな作品です。
巻末には、この物語の背景になった史実とポテトチップスの由来が記されていて、それもたいへん興味深いところ。
なによりこれを読んだなら、ポテトチップスが食べたくなることうけあい。
「こだわり屋」さんの見事な食いっぷりに目はくぎづけです!
山盛りポテトチップスで彩られた、おいしい結末をぜひ読んでみてください。
(堀井拓馬 小説家)
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