
主人公は、オオカミのボス、タオと、勇敢な若者、バートル。会うたび、争っていた二人の間にいつしか、友情に似たものが生まれてきたある日、事件が……。 どうしても、避けられない二人の戦いが始まり、戦いのあとに残ったものは? 読むたびに、自然と人間の共存の難しさを考えさせられる。
『あらしのよるに』(作画:あべ弘士)、『オオカミのごちそう』『オオカミのおうさま』ほか(絵:田島征三)、 オオカミのおはなしをたくさんつくってきた、きむらゆういち先生が自身のあらたなタッチで描きあげた。かわいらしい雰囲気の中にも静かな迫力をもつ、 モンゴルのオオカミと人間との関係を通して、これからの人間の生き方に問題を提起する作品。

普段子供と一緒に読んでいる絵本では、大体オオカミは悪者で、最後には倒されてしまいます。
もちろんそういう勧善懲悪なお話に幼い頃から触れておくのは大切な事だと思いますが、6歳になる息子には「世界はそう単純な物ではない」という事をそろそろ知ってほしい。
雨が降ると「雨は嫌だね」と言い、虫が出ると「虫なんていなければ良いのにね」と言い、テレビに政治家が映っていると「この人は良い人?悪い人?」と聞いてくる息子よ。
世の中はもっと、もっと複雑なんだよ。
見方を変えると善悪も変わる。
地球では、全ての生き物が絶妙なバランスを保って成り立っている。
本当の強さとは何か。
子供にもこの本を通して、学び取る事がきっとあると思います。 (miki222さん 30代・ママ 男の子5歳、女の子3歳)
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