きれいなかわいい機関車「ちゅうちゅう」のおはなし。 機関車のちゅうちゅうはいつも、客車や貨車を引いて小さな町の小さな駅から大きな町の大きな駅へ走っていき、また戻ってきます。たくさんの人やたくさんの荷物を乗せ、長い道のりを走ります。 ある日ちゅうちゅうは考えました。 もうあの重い客車なんか引くのはごめんだ。ひとりならもっとはやく走れるし、みんなの注目を集めることが出来る…… ついにちゅうちゅうはひとりで走り出します。勢いよく誇らしげに走るちゅうちゅうとはうらはらに、牛や馬やにわとり、そして人たちは驚き、逃げ惑います。踏み切りを無視し、跳ね橋を飛び越え、大きな駅の操車場を突っ切って走るちゅうちゅうにみんなは怒り出します。町を抜けて田舎へ走っていくちゅうちゅう。暗くなって道もわからず、石炭も水も少なくなり、もう何年も使っていない古い線路に迷い込んでとうとう止まってしまいます。 ちゅうちゅうの機関士たちは、最新式の汽車に乗ってちゅうちゅうを探します。みんながちゅうちゅうの走っていった方向を教え、ついにちゅうちゅうを見つけて鎖につなぎます。 ちゅうちゅうにケガはなく、機関士たちも一安心。そしてうちへ帰る途中、ちゅうちゅうは機関士たちに言うのです。 「わたしは、もうにげだしたりしません。にげても、あまりおもしろいことはないんですもの。」 そしてたくさんの人を乗せた客車や荷物を積んだ貨車を引いて走ります、と約束するのでした。
威勢良く逃げ出して大騒動を引き起こすけれども、最後は誰もいなくなって寂しくなってしまう...主人公は機関車ですが、とても親しみがわいて感情移入してしまいます。(会社員のパパなら共感するところがあるかもしれません) 大判で45ページの作品ですので、わりとボリュームがあります。 表紙は赤と黒の2色刷りですが、中は白黒で、素朴なタッチの挿絵は迫力があります。 ところで「ちゅうちゅう」という変わった名前は、機関車の走る音から来ています。「ちゅうちゅう しゅっしゅっしゅ!」原題は「CHOO CHOO」です。
小さな機関車ちゅうちゅうは、ある日かってに逃げだして事件をおこします。子どもの冒険心にぴったり合った物語の展開と、ダイナミックに描かれた機関車が子どもの心をとらえます。
【田中パパ】 一番たくさん読んだ絵本。ウチのコドモは、どんな時でも最後まで眠らずに聞いていた。彼が好きだったのは、ちゅうちゅうが古い支線に迷いこむページ。 バートンの曲線的な構図は、スピード感、距離感をよく表現している。 ボクもコドモの時、大好きだった絵本。
表紙からして勢いがあり、お話しにぐいぐい引き込まれます。
モノトーン絵本の代表作として有名な絵本です。
カラーよりもモノトーンであることで「きかんしゃ ちゅうちゅう」が周りの景色に埋もれることなく生き生きと走っていますね。
文字の配列デザインもアソビゴコロがあり、絵のバランスもピタリとはまっていて、気持ち良く読めます。
長く読み継がれる絵本であることに納得の一冊。 (ちゅら。さん 40代・ママ 男の子13歳)
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