戦火の中の図書
戦火に追われる一般人にとって、一番大事なものは命であり、安全であり、生きる糧なのでしょう。
生きる糧は食べ物に違いありませんが、心を支えるものとして図書が掲げられていることに感動しました。
そして、その図書を集めて図書館にするという、人びとの行動力に圧倒されました。
図書館という言葉のイメージと描かれている図書の量に、既存の図書館そのものを想像してしまったのですが、話の流れから人びとが自分の蔵書を持ち寄ったものだと想像しました。
量よりも質、内容よりも存在感としての図書が浮かび上がってきました。
かつて図書館員だった自分にとって嬉しい話ですが、何よりも終戦と平和を祈ります。
この本の中で気になる文章がありました。
「戦争はいつ終わるの」と尋ねる娘に、父親はこう応えるのです。
「戦っている人たちが、話し合いで解決しようと思った時だ」と。
戦っている人たちが話し合いの場を持てるのでしょうか。
戦わせている人たちが話し合おうとしなければ、戦っている人たちが自ら話し合うことなどできないのです。
一番大事なものは話し合いかも知れません。
投稿日:2025/07/24