日が沈んで、あたりが薄暗くなってきた頃、はりねずみは、仲良しのこぐまの家に出かけました。 こぐまが大好きな、野いちごのはちみつ煮を持っていきます。 その途中、立ち込める霧の中にたたずむ白い馬に出会います。はりねずみは白い馬のところへ行きたくて、思い切って霧の中に入っていきますが・・・。
はりねずみはこぐまの家に行く途中、霧の中にうかぶ白い馬を見つけ、霧の中に入っていきますが……。濃い霧、そして淡い光が絶妙なタッチで表現された詩情あふれる美しい絵本。
仰々しいことを言わず、構えず、でもこどもには良いものを与えたい。美術展に親子で行くには、まだちょっと。でも成長してきたので与える書籍の幅を広げたい。そう思うなら、「きりのなかのはりねずみ」はとてもおすすめです。芸術的、幻想的な絵本。とっくに字が分かるようになった重いこどもを、久しぶりに膝に乗せて。説明しなくてもよい。感想を聞いたりしてはいけない。黙って親子で眺めていられる。気持ちよい親しい沈黙のあとで、はりねずみくんたちのお茶の風景があんまりすてきなので、じゃあ、おやつにしましょうかって言っちゃったりする、そんな絵本。 (ニールスさん 30代・その他の方 )
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