静かな家の中。居眠りしていたわにわにが目を覚まします。
…「ぎろり。」
大きなゴツゴツした緑のからだに金色の鋭い目。こわい?
いえいえ、子どもたちは彼がとても愛嬌のあるわにだって事は知っていますよね。
何しろ人気シリーズの第5作目なんです。
さて、わにわにが誰もいない家の廊下を「ずるずりずるずり」と歩いていくと、少しだけあいているふすまの奥から“クィ…”となく声が。だれ?
出てきたのは小さな赤いわに!あかわにはわにわにの後を「カシャカシャ」ついていきます。そうしてわにわには、あかわにに「食べるかな?」とプリンをあげてみたり、「およぐかな?」とお風呂場に連れていってみたり……。
なんでしょう、この最高に心の和む2ひきの交流は。わにわにが愛してやまない瞬間を、どうやらあかわにも同じように愛しているみたい。
「ぐにっ ぐにっ ぐなっ ぐなっ」
「くにっ くにっ くなっ くなっ」
言葉はなくとも、体の大きさはちがっても、やっぱり同じ「わに」。とても気が合ったようですね。
「ゴツゴツ、ずるずり」なのにとても愛らしいわにわに。
ふいに忘れられない出来事が起こるお話の展開。
毎回、わにわにの違う一面を見せてくれて…ああ、だからこのシリーズが大好きなんです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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