待望のシゲタサヤカさんの新作は、「いくら」が主役だと聞いたけれども・・・。
まさか!いくらなんでもそんな展開!?
想像を超えた登場シーンにまずは驚かされてしまいます。
町外れに妙な店が出来たと聞きつけて、お殿様が家来をよこします。
中に入るとス〜っとひんやり寒く、そこで待っていた店主はなんといくらのおすし!
お城のお殿様の前に連れてこられて、「なんでもや」だと言い張るいくらのおすしを見て、お殿様は言うのです。
「今すぐ、わしの好物 ぶどうをたべさせろ!」
さて。
「ぺぺぺぺぺ・・・」
その場で起きた奇想天外の出来事とは!?
あまりにも喜んだお殿様。きれいな桜も、盛大な花火も、美味しい食事もなんでもござれ。もう、お殿様はいくらくんなしの生活なんて考えられません!
ページをめくるたびに目に迫ってくるのは、圧倒的ないくらの粒。ところがこれが嫌じゃない。新鮮な赤い粒々で出来た宝石箱のような温泉なんて、はあ〜、ためしにつかってみたいものです。
そして、小さないくらくんの健気な姿にお殿様じゃなくたって、一緒に住んでみたくなってしまうのです。
やっぱりちょっと普通じゃない、シゲタさんの作品。この摩訶不思議な発想はどこからやってくるのでしょう。とにかく、みんなで一緒に大笑いしながら楽しんでくださいね。
前と後ろの見返しの絵にも注目ですよ!!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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