人間たちと神様で大にぎわいなのは、出雲大社。
屋台がたくさん! お好み焼きや綿菓子、おめんやさんもあります。
今は10月。日本の古い言葉で神無月。
でも、出雲の国(島根県)でだけは、神在月と呼ばれます。
なぜなら、10月は日本中の神様が出雲に集まってくるから。
そこで、一年の出来事を話し合うんですって。
さてさてそんな中、トランク下げてやって来たのはめがねやさん。
早速一番乗りのお客さんが来ます。
「今年もたのむぞ めがねやさんよ
わしも すっかり としを とってのう
ちいさいものが みにくくていかん……」
そう言っているのは、虫の神様。
「ではこちらを」
めがねやさんが差し出しためがねをかけたかみさまは、驚きます。
どうやら見なくてはいけなかったものが、隅々まで見えるみたい!
そうして、風の神様、においの神様、おばけの神様、次々にやってきては、「そんなものまで見えちゃうなんて」っていう、ぴったりなめがねを売っていくのです。ハートの神様なんていう方もいますよ。ハートの神様が買ったメガネをかけると、どうやら恋人ふたりの相性が!?…そんなの欲しいです。
神様たちのお悩みを解決していっためがねやさん。
まさか、全国の神様が「めがね頼み」だったなんて、知らなかった事実ですよね。
大切な一日も終わり、みせじまい。おもむろにめがねをはずすと……。
嘘みたいな、でも本当にありそうなお話。
雲の上の存在だった神様が、ちょっと身近に感じられる(?)楽しいお話です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む