寿司は子どもたちに大人気。でも、同じ魚を使った料理なのに、
「焼き魚」は子どもたちに不人気の様です。
「ほねが あって たべにくいし、にがいからです。」
な、なるほど…。
でも、夕ご飯に出た焼き魚を残したら、
食べ散らかした焼き魚がお風呂に入ってきて、恨めし気に言ってきました。
「きらわないでくれ〜 ちゃんと たべてくれ〜」
寝ているときも、朝食のときも出てきて、
「きらわないでくれ〜 ちゃんと たべてくれ〜」と迫ってくる。
やきざかなののろいは、なかなか恨み深いようです。
それでも断固として拒否をするぼく。
「もう!たべてやるー!!」とやきざかなに襲いかかられて、
「ぱくっ」と食べられてしまった、ぼくの行く末は…?
「呪い」ときくと、ネガティブなものを感じたり、
何だか怖いと敬遠してしまうかもしれませんが、
塚本やすしさんの描く「呪い」の焼き魚は、どこかユーモラスで、
キリリと引き締まった眉とまっすぐな瞳は、
「焼き魚を食べてほしい!」という一途な思いを十二分に感じることができます。
読み終わった後に、魚の焼ける香ばしい匂いが鼻の奥をくすぐり、焼き魚が食べたくなる絵本です。
(木村春子 絵本ナビライター)
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