
その本屋があるのは、町のはずれの古い本屋の裏庭とつながっている森の、池のほとりのやなぎの木の根元。葉っぱにかくされた入り口を入っていくと、そこにいるのは……たくさんのかえるたち! そう、そこは「かえるのほんや」なのです。
「かえるが本を読むの?」
いえいえ、そんなことで驚いている場合じゃありません。だって、この本屋で人気のある絵本は、みんなこのお店でつくっているんです。紙、絵の具、のりだって手作り。さらにお話だってここにいる作家たちが考えているのです。でも、今日はおはなしづくりが行き詰まっている様子。そんな時は草のハンモックで昼寝が一番。ところが……?
「ぼくたちって ほんとに すごい かえるじゃない?」
本当に、本当にそう思いますよ。かえるたちが最初から最後までずっと大活躍する様子は、何度読んでも飽きることがありません。かえるたちへの深い愛情を感じる作者やぎたみこさんの絵も素晴らしく、子どもたちはきっとかえるが好きになってしまうでしょう。
「ほんやが あって よかったな。」
深く深くうなずきながら、そっと絵本をとじるのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

本があるってすばらしい! 池のほとりの柳の木の中に、一軒のかえるの本屋があります。「ようこそ、みなさん。おあつまりですね」かえるの店長のお話会が始まります。今日は、おたまじゃくし達に人気の『たまごからかえる』や、しっぽがある子どもに人気の『こわいこわいへび』、本屋を最初に作った店長のお話『ほんやをつくったかえる』の3冊を読みます。お話会が終わると、それぞれ好きな本を読んで、気に入った本はへびのぬけがらと交換して購入することもできます。そして、奥の部屋に入っていくと……たくさんのかえる達が本作りをしています。材料は、草の根から作った紙、花や実から作った絵具、草の実から作ったのり等です。広いテーブルでは、店長と絵本を作るかえる達が会議中です。ところが、作家のかえるがお話作りに煮詰まってしまい……⁉ 本がある暮らしはかえる達の心を豊かにしていきます。精緻を極めた描写と、生き生きとしたかえる達が魅力の読み聞かせにぴったりな1冊です。

街のはずれの古い本屋の裏にある森の中に、かえるの本屋があります。
かえるの本屋では、定期的にお話会をやっていて、今日は、店長さんが三冊の本を読みました。
お話会のあとはそれぞれ好きな本を読んで、気に入ったら、買って帰ります。
ところで、かえるの本屋にある本はスタッフたちが創っているのですが、作家のかえるが新作を上手く書けずに困っています。
じゃあ、実際に体験してみよう!
そうしてお店の外に出たら……。
私も本が好きで、そして絵本を創っているので、とても楽しく読むことができました。
新作を上手く書けない時には、実際に経験してみるのがいいのですね。
素敵なアドバイスです。
創作に行き詰った時、私もやってみようと思います。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子19歳)
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