「ふわふわさんに ふわおくさん
2ひきの うさぎが すんでいます。」
とっても耳馴染みのあるこのフレーズ。世界40言語以上に翻訳されているディック・ブルーナ「うさこちゃん」シリーズの代表作です。
ある晩、仲良く暮らすふたりのおうちのお庭に、天使がやってきます。赤ちゃんが生まれるというのです。そうして誕生したのがうさこちゃん。動物たちがうさこちゃんを見に、次々にやってきます。
「あかちゃんが おうまれになって おめでとう」
みんなとっても嬉しそう。だけど、うさこちゃんはくたびれて、こっくりこっくり。じきにおめめもふさがって…。
小さい頃から繰り返し読んでもらった、大好きなうさこちゃんの絵本。小さな四角いサイズ画面から、まっすぐこちらを見るうさこちゃんやそのお友達。可愛らしいお花や動物たち(洋なしの形はこの絵本で覚えたっけ)。めくるたびに目に飛び込んでくる鮮やかな色彩。シリーズは子どもの成長に寄り添いながら、たくさんのお話が生まれていき、子どもたちとうさこちゃんは、すっかりお友達になっていくのです。
そんなうさこちゃんが、みんなに祝福されながら登場するのが、この絵本。ママの語りかけも自然と優しくなっていきます。きっと我が子を重ね合わせているのでしょうね。小さい子どもたちにも、その空気が伝わり、とても心地の良い時間が流れます。
今でもうさこちゃんを見れば、お友達に再会したような気持ちになります。何年経っても色褪せないブルーナの絵本の世界。ぜひ親子でゆっくり味わってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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