ともだちのまりちゃんは目が見えない。
見えないってどんな感じかなぁ。試しに目をつむってみると…。
まりちゃんはいいなぁ、こんなにすてきな音が聞こえるなんて。
そうやって色々な人の立場を想像をめぐらせて経験していく絵本。
最後にはちょっとしたしかけの様なお話の展開になっています。
大きなテーマの様でいて、とっても身近なお話。それでいて、ドキっとする。読み終えると自分の感覚や世界がぐっと広がった様な。同じ物事でも視点をほんのちょっと変えるだけでこんなお話ができてしまうのですね。
色々な題材を扱っているのにみんなさりげなくて、でも絵本のストーリーとして魅力的で、読み終わった後にちょっと考えてしまう「中山千夏の絵本」シリーズ。 「どんなかんじかなあ」で和田誠さんの素敵な絵がコラボレートされていて更に言葉が印象的に頭に残ります。他のシリーズでも長新太さんやささめやゆきさんなど個性的な画家の名前がずらり。共感しているからこそ実現できたコラボレートなのでしょう。シリーズで読んでみたくなります。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む