
朝、目がさめると……。
ジム・パンジーは、なにもかもが気に入らないことに気づきます。こんなに素晴らしく晴れた日なのに! おひさまは照りすぎるし、空はあおすぎる。バナナは甘すぎるし、友だちは心配してくれる。モヤモヤ、イライラ。どうなってんだ?
「たぶんきみは、ごきげんななめなんだよ」
ジャングルの仲間たちは、ジムの気分をかえてやろうと、色々な楽しい遊びに誘います。歌ったり、ブランコしたり、土の上で転げまわったり。散歩したり、寝っころがったり、あしぶみしたり。水遊びしたり、笑ったり、おふろに入ったり。なんて素敵な仲間たちなのでしょう。でも、しかめっつらしたジムは言うのです。
「きげんわるくなんて、ない!」
だけど、一人になったジムは……。
そうだよね。どんなに天気がよくたって、どんなに友だちが優しくたって、「ごきげんななめ」になってしまう日はあるものです。自分ではコントロールできないからこそ困ったものです。それでも、素直に奮闘するジムの姿はとても愛らしくて、ちょっと可笑しくて、どこかで見たことあるような? 自分の姿にほんのり重ね合わせながらも、思いっきり楽しんで読んでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

ニューヨークタイムズのベストセラーランキング1位を獲得、 25 週間ベスト 10 にランキングされていたヒット作!
ある すばらしく はれた ひ。 ジム・パンジーは めがさめて、 なにもかも きに いらないことに きづきました。 おひさまは てりすぎるし、 そらは あおすぎる。 そのうえ、バナナは あますぎる。
ジムはモヤモヤ、イライラ。ジャングルの仲間たちはジムの気分をかえてやろうと、色んな楽しいことに誘います。「いっしょに うたおうよ!」「みずあびしょう!」「ダンス!」。でも、どれもやる気になれません。「どうして ごきげんななめなの ジム?」みんながききます。「きげんわるくなんか ないってば!」どなってその場から逃げ出してしまいました。 ひとりになったジムは、「わるかった」と思いました。みんなに、そして、だれよりも自分自身に。「ぼくは きげんが わるかったんだ」――。
「ごきげんななめ」も心を守るために必要な大切な感情です。子どもたちに、感情との付き合い方を楽しく教えてくれる絵本です。

インパクトのある表紙のイラストに惹かれ、手に取りました。
おさるのジム・パンジーは、目が覚めた瞬間から、何もかも気に入らないことに気づきます。周りの動物たちが気分を変えてあげようとするのですが、ごきげんななめは変わらず……。
私も何故かイライラ、モヤモヤすることがあるのですが、いつも自己嫌悪に陥ります。でも、誰でもご機嫌斜めなことはあるんだなとわかれば、うまく気持ちと付き合えるかもと思いました。大人にも気づきのある絵本です。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子12歳)
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