学校のかえりみち。本部での会議を終えた、ぼくたち「ほうかごスペシャル探検隊」は目的地目指して出発だ!
冒険の始まりは校門前の商店…ではなくて「ンラズスとりで」。凶暴な部族に襲われないように無事に通り抜ければ、今度は「地獄の平均台」。左に落ちれば激しい川に流され、右に落ちればジャングルに。「ひゃあーー!!」4号が落ちてしまった。慌てて駆けつける隊員たち。「チマンホいちば」では2号がオババーンぞくに囚われた。そして、みんなは逃げ出して…!
きみたち、こんな感じでちゃんと目的地「チンダ・ダラハ」に到着できるの?
突然何を言っているのか理解不能に陥っているお母さま方。
これが小学生男子の妄想ワールドなのだそう。
男子の手にかかれば、退屈な帰り道なんて存在しません。どう猛な怪獣や敵がいつ襲ってくるかわからない危険な道を進みながら、時には仲間を助け、裏切り(?)、みんなで目的地へ向かうのです。
最近読んだ本の影響?テレビ?漫画?
なんだって構いません。男子の妄想力はこんなところでたくましく育っていくのかもしれません。
真剣な顔、泣きそうになっている顔、いよいよって時の顔。男子らしく生き生きとした表情を見せてくれています。
探検が終わった後の一言「さあ かえろう」が、やけにかっこよく響いています。
こんなハチャメチな世界を、男子の頭の中に忠実に描き出しているのは、人気絵本作家山本孝さん。
実際の帰り道と、大冒険の世界を見比べれば見比べるほど笑ってしまいます。
見立て方はダイナミック、そして細かい。山本さんも男子ですからね、熱さが伝わってきます。
一体「チンダ・ダラハ」とはどこだったのでしょうか。
そういえば、毎朝「すごい夢をみた…」と呆然とした顔で起きてくる我が家の息子。
夢の中でこんな冒険を繰り返しているのか。忙しいはずです(笑)。
今度詳しく聞いてみよう!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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