読んでいる間も、読み終わったあとも、胸がぎゅうっと温かくなる絵本です。
森のはずれにある2軒の家でそれぞれ暮らすくまくんとこりす。
ふたりはとても仲良しで、朝から晩までいつも一緒にいました。
こりすはくまくんが大好き。
くまくんに喜んでもらいたくて、くまくんが一番喜ぶものをプレゼントしたいと思うけど、くまくんは「なんにもいらないよ」と言います。
「じてんしゃは?」
「あたたかいセーターは?」
「はなたばは?」
と、次々に質問を投げかけるこりす。これに対するくまくんの答えがどれもとても素晴らしいのです。
くまくんの言葉から、日常生活の中で「当たり前」と思っているものにこそ、一番の幸せがあるということに、改めて気づくことができるのではないかと思います。
大好きな人に喜んでもらいたくて、何かを贈りたいというこりすの気持ちも、一緒にいれるだけで幸せに満たされているというくまくんの気持ちも、どちらも共感してしまいますね。
通り抜ける風や夕陽のきらめき……物語の世界観とマッチした、繊細で優しく、温かみのある絵もとても素敵です。
子どもにも、そして大人の心にも響く本書。お子さんや大切な人とぜひ読んでみてくださいね。
ご結婚される方へのお祝いにもおすすめです。感謝の気持ちと愛を込めて、特別な日にパートナーの方に贈られるのもいいかもしれません!
(洪愛舜 編集者・ライター)
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